- 2011年:プロジェクト開始、現地調査
- 発電機・系統連系盤の製作
- 現地工事・試運転
- 2014年:実証設備として完成
「未利用熱を資産に変える。」
JRET30は、Power Innovative Technology(PIT)が設計・開発・製造する24kWクラスの小型ORC発電装置。
温泉熱・工場排熱・低圧蒸気など、100℃前後の低温熱を安定した電力へ変換する。
国内唯一の空冷システムと、完全オイルフリー技術の融合。10年以上の過酷な実証で鍛えた「現場仕様」のORCとして、設置自由度と保守性を最優先に設計している。
見捨てられた低温熱を、現場で使える電力に変える。JRET30は、そのための「設備として成立するORC」を目指して設計した。
100℃以下の温水は長い間「捨てる熱」だった。私たちはOTEC(海洋温度差発電)の発想に触れ、低温熱を“電力に変換する技術”として捉え直した。 以降、実証・試作・改良を積み重ね、現場導入に耐える小型ORCへ収束させてきた。
ORCは万能ではない。サイクル効率の特性上、発電量の約10倍規模の熱量が必要になる。 だからこそ熱源のボリュームゾーン(温泉熱・産業排熱)から逆算し、現場で回収性が成立する出力帯として20kW前後に最適点を置いた。
ORCシステムは、タービン発電機、循環ポンプ、熱交換器、タンク、配管というシンプルな構成だ。 構成がシンプルだからこそ、性能と信頼性を決める“心臓部”はタービン発電機になる。 私たちは供給責任と長期運用を前提に、国産・自社開発を選び、オイルフリー設計で保守負担とトラブル要因を削減する方向に舵を切った。
<技術詳細(ORCの仕組み/国産タービン発電機・オイルフリー軸受/凝縮器の選択:水冷・空冷のメリット・デメリット)はTechnologyへ。 温泉発電・産業廃熱の事例と提案パターンはSolutionへ掲載する。>
開発ストーリーで触れた「見捨てられた熱」を資産に変えるという問いは、OTEC(海洋温度差発電)との出会いから具体的な現場課題へ変わった。 机上ではなく実証現場で、施工・運用・系統連系まで含めた“設備としての成立条件”を鍛え続けてきた。
ここで得た結論はシンプルだ。止まらないこと、直せること、供給を続けられること。 JRET30は、この優先順位を一切崩さない。
JRET30は、OTEC実証から始まる現場経験と、国産高速発電機の開発、そして試作機JCMDでのシステム検証を経て、設備として成立する小型ORCへ収束させた。
軸受に潤滑油を一切使用しない高速回転タービン。 オイル交換不要、フロン再生不要。 シンプルさが、保守工数と運用コストを大幅に低減する。
冷却水設備を必要としない独自の空冷コンデンサー(ACC)。 水資源の確保が困難な山間部や温泉地、工場排熱シーンにおいて、 圧倒的な設置自由度を提供する。
心臓部のタービン発電機を含め、国内自社工場で製造。 海外部品に依存しない供給と、長期運用を見据えた迅速な技術サポートを重視する。
仕様は熱源条件・冷却条件・設置制約により最適化する。ここでは代表値を示す。
| 定格出力 | 約24kW |
|---|---|
| 冷却方式 | 空冷式(水冷も選択可) |
| 作動流体 | R1224yd(Z)(低GWP冷媒) |
| 設置 | 屋外対応 |
| 保守性 | オイルフリー・フロン再生不要 |